時短勤務からフルタイム復帰した39歳、家事を回すために手放した3つのこだわり
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時短勤務からフルタイムに戻った日、正直「これで生活が回るのだろうか」と不安になりました。保育園の延長がなくなる分、夕方の時間はむしろ短くなる。それなのに仕事の量は時短前とほぼ同じに戻る。39歳、子どもは小学校低学年。復帰して半年が経った今、はっきり分かったことがあります。「全部を今まで通りにやる」という前提そのものを疑わない限り、フルタイムは続けられないということです。
今回は、私自身がフルタイム復帰後に手放した3つのこだわりと、その裏付けになりそうなデータを整理してみました。同じように「時短からフルタイムに戻ったら、家事が回らなくなった」と感じている人の参考になればと思います。
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フルタイム復帰で「時間」より先に減るもの

時短勤務中は、1日6時間勤務という制約のおかげで、多少の家事の遅れは「明日やろう」で吸収できていました。ところがフルタイムに戻ると、単純に労働時間が伸びるだけでなく、会議や打ち合わせが夕方に入りやすくなり、心理的な余白が先に削られていきます。
総務省の社会生活基本調査によると、6歳未満の子どもがいる共働き世帯では、妻の家事関連時間は1日あたり7時間28分にのぼる一方、夫は1時間54分にとどまっています。過去20年で夫の家事・育児時間は着実に増えてきているとはいえ、依然として妻が家事関連時間全体の約8割近くを担っている計算になります。つまり「フルタイムに戻る」というのは、単に自分の労働時間が増えるだけでなく、すでに偏っていた家事の重心をさらに重くする出来事でもあるわけです。
海外の研究でも似た指摘があります。母親は所得や仕事の成果にかかわらず、家事の「段取りを考える」「何が必要かを把握する」といった目に見えにくい精神的な負担(メンタルロード)を平均で父親の1.7倍近く抱えているという調査結果があり、収入が高い母親ほど物理的な家事や育児の時間は減らせても、この段取り役からは降りられていないと報告されています。フルタイム復帰後にまず消耗するのは、体力よりもこの「段取りを考え続ける」余力なのだと、身をもって感じました。
手放したこだわり①「手作りが正解」という思い込み

最初に手放したのは「夕食は手作りが基本」というルールです。時短勤務中は19時前に帰宅できていたので、簡単でも手作りの夕食を出せていました。フルタイムに戻ってからは帰宅が19時半〜20時になり、そこから調理するのは正直きつい。
興味深いことに、惣菜や冷凍食品、宅配弁当を夕食に使うことに「罪悪感」を感じている共働き世帯は7割を超えるという調査結果があります。ところが同じ調査では、パートナーが栄養バランスの整った冷凍食品や宅食を使った場合、実際には約75%が肯定的に受け止めていることも分かっています。つまり「手抜きだと思われるのでは」という不安の多くは、本人の思い込みが先行しているケースが多いということです。
我が家では、平日3日は冷凍の主菜+レンジ調理の副菜、残り2日を手作りにするルールに切り替えました。品目を絞ったことで、買い出しの負担も軽くなっています。
手放したこだわり②「毎日きれいな部屋」という基準

2つ目に手放したのは「毎日掃除機をかける」という基準です。時短勤務中は日中に多少家事を挟めましたが、フルタイムでは平日の掃除は事実上不可能に近くなりました。
横浜市立大学の研究では、フルタイムで働く妻について、家事にかける時間が長いほど幸福度が下がる負の相関がみられる一方、時短家電の導入や家事のアウトソースを利用している家庭では、平日の家事時間そのものが減少する傾向が確認されています。「家事は頑張ってやり切るもの」ではなく「仕組みで手放すもの」だと捉え直すきっかけになったデータです。
我が家ではロボット掃除機を平日の留守中に稼働させる運用にし、人の手でかける掃除は週末の1回だけに減らしました。床にモノを置かない習慣とセットにする必要はありますが、「今日も掃除できなかった」という自己嫌悪から解放された効果は、想像以上に大きかったです。
手放したこだわり③「献立を毎日ゼロから考える」こと
3つ目は「今日は何を作ろう」を毎晩ゼロから考えることです。地味に思えて、これが一番のメンタルロードでした。冷蔵庫の中身と家族の予定を突き合わせて献立を組み立てる作業は、料理そのものより時間も気力も奪われます。
夕方の調理そのものを圧縮する手段として取り入れたのが電気圧力鍋です。朝、材料を入れてセットしておけば、帰宅時には煮込み料理が仕上がっている状態になり、「帰ってから何を作るか考える」工程自体を丸ごと省略できます。海外の研究でも、時間を買うための支出(家事代行や時短家電、食事のデリバリーなど)をした共働きカップルは、関係満足度が高くなる傾向が報告されており、1週間あたり平均で約18時間の時間を生み出せたという調査結果もあります。手放すべきは「作る手間」だけでなく「毎回一から考える手間」そのものなのだと感じています。
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手放した結果、何が変わったか
3つのこだわりを整理すると、こうなります。
| 手放したこだわり | 以前のやり方 | 変えたやり方 |
|---|---|---|
| 手作りが正解 | 平日5日、原則すべて手作り | 平日3日は冷凍・宅食を併用 |
| 毎日きれいな部屋 | 平日も可能な限り掃除機がけ | ロボット掃除機に平日を任せ、人の手は週末のみ |
| 献立をゼロから考える | 毎晩、その場で献立を決める | 電気圧力鍋で朝仕込み、献立の一部を固定化 |
手放してみて分かったのは、こだわりを減らしたからといって家族に迷惑がかかったわけではない、ということです。むしろ「今日はどうにか乗り切れた」という日が減り、精神的な余白が少し戻ってきました。もちろん、これがすべての家庭に当てはまる正解だとは思いません。ただ、フルタイム復帰後に苦しくなっている人の多くは、「全部を今まで通りにやろうとしている」ことそのものが原因になっている可能性は高いのではないかと思います。
「何を手放すか」を決めるヒント
手放すこだわりを選ぶときに意識したのは、「やめても誰も困らないこと」から着手する、という順番です。手作りへのこだわりをやめても、掃除の頻度を減らしても、実際に家族の健康や安全が損なわれるわけではありません。一方で、子どもの体調管理や安全確認のような「絶対に外せないこと」まで手放してしまうと本末転倒になります。
自分の家事リストを一度書き出し、「なくても実害がないもの」から優先的に手放していく。そのための時短家電やサービスへの投資は、決して贅沢ではなく、フルタイムを続けるための必要経費だと今は捉えています。ただ、どの家電が本当に自分の生活に合うのか、口コミが実態を反映しているのかを一つずつ見極めるのは、それ自体が新たな手間にもなりがちです。気になる商品が見つかったら、URLを貼るだけで価格の妥当性やレビューの信頼性をまとめて確認できる仕組みに任せてしまうのも一つの手だと思います。
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